第90章

彼女を後部座席に慎重に運び込んだ後、彼は彼女の身に残った濡れたシャツに手をかけた。

水原花子は反射的に彼の手を止め、目には恥じらいの色が浮かんでいた。

「動くな、黙って、見せろ」西村達也は片手で彼女の腕を押さえつけ、もう片方の手で強引にシャツを開いた。かつて牛乳のように白かった彼女の肌は今や、掴まれた跡の青あざだらけで、見るに忍びない状態だった。

西村達也の胸の内で何かが締め付けられるような感覚があり、顔色は最悪だった。

水原花子はそんなことを気にしている余裕などなく、ただ恥ずかしさを感じていた。そして自分の体が今どれほど醜いかを知っていた。

「見終わった?」彼女は居たたまれなく身...

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