第23章

藤原英世は、西原七海にいちいち細かな説明をしてやるほど気長ではなかった。今回のテック展示会に同行させてやるだけでも、十分すぎるほど顔を立てている。

「自分で下調べしろ。分からないことがあれば、詳しい人に聞け」

そう言ってから、藤原英世は腕時計に目を落とした。

「俺はまだ用がある。先に行く」

西原七海は、遠ざかっていくその背中を見送りながら、胸の奥にぽっかりとした空白を覚えた。

藤原英世は、彼女が意識して見せている女としての魅力に、まるで反応しない。

――大丈夫。

七海は心の中で自分を励ます。

態度は冷たくても、大事な場に同伴する機会をくれた。それだけでも、脈がないわけじゃない...

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