第35章

彼女と藤原英世――どこをどう見たら恋人同士に見えるというのだ。

スタッフは熱っぽい期待のこもった眼差しで、西原雨子と藤原英世を見つめている。

西原雨子が「私たち、付き合ってません」と説明しようと口を開きかけた、そのとき。

隣で藤原英世がさらっと言った。

「じゃあ、撮らせてやれば」

西原雨子「…………」

いや。

まず誤解を解いてから、その場を離れるのが普通じゃない?

そもそも、写真なんて慣れてないんだけど!

藤原英世が同意したとたん、スタッフはぱあっと顔を輝かせた。

「お客様、こちらへどうぞ! プロの撮影チームが担当いたしますので、必ずご満足いただけるお写真をお撮りします!...

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