第48章

大村賢也は、西原雨子が藤原へ入っていくのを見た瞬間、どうにも現実として受け止めきれなかった。

――どういうことだ?

まさか自分は、西原家の姉妹そろって袖にされたのか。

この大村賢也が、そこまで見劣りする男だとでもいうのか。

西原七海に断られるのは、まだ分かる。あの女が野心家なのは知っているし、権勢の面でいえば、自分が藤原英世に及ばないのも事実だ。

だが、西原雨子は何を基準に自分を拒む。

彼女はもう西原家のお嬢様ですらない。はっきり言ってしまえば、今の彼女が西原家を離れたところで、K市で家一軒どころか、まともな住まいを手に入れるのだって難しいはずだ。

それなのに。

大村家の跡取...

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