第54章

藤原英世はため息をついた。結末は、もう見えている。

夏目夢子は結局、娘が消えた事実を知ってしまい――そのまま壊れた。

産んだばかりの母親が、自分の子がいなくなったと聞かされる。そんなもの、耐えられるはずがない。

羽村は涙を拭い、「それともう一つ、藤原様はご存じないかもしれません」と声を落とした。「あのとき田村真崎が若様に何を吹き込んだのか分からないんですが……若様は翌日、杉浦静留を抱いて戻ってきて、産科の病室に連れて行ったんです。夏目奥様を騙して、奥様が産んだ子だと思い込ませようとして……」

それは藤原英世も初耳だった。胸がざわつく。

「……それで、どうなった?」

羽村はかぶりを...

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