第66章

西原七海が藤原英世から電話をもらうのは珍しい。胸が熱くなり、鼻をすすりながら言った。

「ケガってほどじゃないの。でも顔がまだ腫れてて……しばらく会社、行けないかも……」

藤原英世はそれを聞いて、内心で「そんな都合のいい話があるのか」と思った。

湧き上がるほくそ笑みを押し殺し、低い声で告げる。

「なら家で大人しく休んでろ」

そう言って通話を切ろうとした、そのとき。

七海がか細い声で、頼りなく縋ってきた。

「英世……あなた、あの田山さんと、いったいどういう関係なの? 私、英世が彼女を好きなはずないって信じてる。……そうだよね?」

「好きなわけないだろ」

はっきりした返答に、七海...

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