第6章

 地に這いつくばりながらもなおも悪態をつき続ける圭也を見下ろし、母の瞳には極度な嫌悪と苛立ちが浮かんでいた。

「お母様」

 私はそっと母の袖を引き、少し弱々しく甘えるような声を出した。

「顔がすごく痛いの。足首もまだ血が出ているみたい……病院に行ってもいい?」

 母の目に宿っていた殺気は瞬時に心痛へと変わり、壊れ物でも扱うかのように私の肩を抱き寄せた。

「ええ、今すぐ連れて行ってあげるわ」

 身を翻す際、私は瓦礫の中に転がる二つの汚泥のような塊を冷ややかに一瞥し、護衛たちに向かって手を振った。

「私の視界を汚さないで。猿轡を噛ませてお屋敷の地下室へ引きずり込み、たっぷりと『おも...

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