第130章

島宮雪乃の言葉に、天瀬美和子は恐怖で目を大きく見開き、ひどくどもりながら口を開いた。

「ゆ、ゆ、雪乃、あんたこれ、さ、殺人よ……だ、だ、駄目よ」

天瀬美和子は両手を振り回しながら後ずさりした。

「お母さん、これ以上ぐずぐずしていたら、あたしたち終わりなのよ」島宮雪乃はすでに退路を断っていた。「見たでしょ、島宮奈々未も川崎正弘も来てるの。あの子がここにいるって知られたら、もう二度と這い上がるチャンスはなくなるわ」

島宮雪乃はもう後先構わず、クルーザーが何かに衝突する音を聞くと、そのまま船底のハッチを開け、夏目太郎を力任せに引きずり出した。

「あたしを恨まないでよね。全部島宮奈々未が追...

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