第138章

 島宮奈々未は傍らで話を聞きながら、江口蘭子の言葉がまるで湖水に投げ込まれた小石のように、心の奥底で波紋を広げていくのを感じていた。

 蘭子の言葉に影響されたせいだろうか。改めて夏目海人と夏目太郎の顔を見比べると、確かに二人ともどこか丹羽光世の面影があるように思えてくる。

 だが、奈々未はすぐにその考えを打ち消した。そんなはずはない。光世と知り合ってまだ半年足らずだというのに、こんなに大きな息子たちがいるわけがないのだ。

 蘭子は二人の容姿の良さと賢さを笑顔で褒めちぎり、初対面の挨拶代わりにとご祝儀袋を二つ取り出した。

「さあ、受け取って。江口のおばあちゃんからのほんの気持ちよ」

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