第145章

星月ホテル。

島宮奈々未は鮮やかなドリフトを決め、車を駐車スペースに滑り込ませた。

エントランスの警備員は、その光景に目を丸くして立ち尽くしている。

高級車から降り立つ美女。そのスマートで隙のない身のこなしは、周囲の視線を釘付けにするには十分すぎた。

ドアを押し開け、白くすらりとした脚を地につける。豊かな長い髪が風に舞い、サングラスをかけたその姿は、痺れるほどクールで凛々しい。

まさに、冷たくも妖艶な美女である。

警備員は愛想笑いを浮かべて歩み寄った。

「お嬢さん、ご宿泊ですか?」

「ええ」

島宮奈々未は中指でサングラスを軽く押し上げ、腕時計に視線を落としてから口を開いた。...

ログインして続きを読む