第153章

丹羽爺さんの様子に、丹羽元祐と息子の邦義は一瞬呆気を取られた。

島宮奈々未は丹羽の爺さんが虐められていると聞くやいなや、それが大方狸寝入りで何事もないことを見抜いていながらも、彼に向かって声をかけた。

「お爺様、私のこちらへ」

「おう」

丹羽の爺さんは素早く奈々未の背後に回った。葉巻を咥え、濁った瞳を細めるその姿は、まさに老獪な狐そのものだった。

さらに爺さんは、お前たちなどまだまだ青いとでも言わんばかりに、丹羽邦義と元祐の親子に向かって片目を瞬かせてみせた。

邦義は胸の奥が塞がり、渋面を作った。

「お爺様、長兄はもう事故に遭ったんですよ。このまま丹羽グループが衰退し、完全に呑...

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