第154章

 周囲の目など気にも留めず、互いだけを見つめ合う二人の姿は、誰もが羨むほどだった。

 丹羽光世が島宮奈々未をどれほど溺愛しているかは、盲人でさえ気づくほど明らかだ。

 天瀬姫奈は嫉妬のあまり両手をきつく握りしめ、心に渦巻く怒りと憎悪を必死に押し殺していた。

 島宮雪乃に至っては言うまでもない。丹羽光世の腕に抱かれているのが自分であればいいのにと、そして皆の羨望の的になるのが自分であればいいのにと、喉から手が出るほど渇望していた。

 天の配剤とも言える完璧な男、丹羽光世。彼こそが自分の夫になるはずだったのに、島宮奈々未に奪われたのだ。丹羽家の女主人の座も、本来は自分のものだというのに。...

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