第172章

昨夜、丹羽光世の命を狙った暗殺者がまさか野呂栞だったとは、島宮奈々未は夢にも思わなかった。

いったい何と言えばいいのだろうか。

奈々未の激しい反応を見て、野呂栞はきょとんとした顔をした。

「姉さん、どうかしたの?」

島宮奈々未は一つ息を吐き、ペーパータオルを抜き取って口元のコーヒーを拭うと、大真面目な顔で言った。

「栞、あんたね、もうちょっとで従姉の私を未亡人にするところだったのよ」

「えっ?」

野呂栞は白井小鳥と顔を見合わせ、事態を飲み込んだ後のその表情といったら、筆舌に尽くしがたいものがあった。

「姉さん、嘘でしょ。未来の義兄さんって、昨夜のあの不運なターゲット、丹羽光世...

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