第177章

パソコンの画面を睨みつけ、天瀬姫代は深く眉間を寄せた。電話越しに島宮奈々未が放った『ベッドの上での彼の姿』という言葉を思い出すと、ギリッと奥歯を噛み締め、彼女は報酬額の引き上げに応じた。

「六億。これでも破格よ。受けないなら、他の誰かに頼むまでだわ」

二十億なんて決して安い額ではないし、それほどの価値もない。もし事が露見して丹羽光世の怒りを買う恐れがなければ、自らの手で始末をつけていたはずだ。

一方の島宮奈々未は、悠然とミルクを口に運びながら言い放つ。

「二十億」

一円たりとも負ける気はない。

彼女が他の殺し屋に頼むことはないと、島宮奈々未は確信していた。以前、野呂栞が地煞の狐を...

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