第185章

丹羽光世は自ら部下を率いて渡辺芳美を迎えに行った。普段は感情をほとんど表に出さない彼だが、母子の絆は極めて深く、ただ愛情表現が不器用なだけである。

島宮奈々未と天瀬姫代は南山別荘に残った。島宮奈々未は数口食べただけで食欲をなくしてしまったが、残りの料理は島宮徳安がすべて平らげた。

島宮奈々未はなぜか突然、胸がざわつき、強い不安に襲われていた。

島宮徳安は川崎正弘に愛想よくすり寄り、二人は熱心に話し込んでいた。島宮奈々未は一人で外の空気を吸いに庭へ出た。

「伯母様が目を覚まされたのは喜ばしいことなのに、島宮さんはどうしてそんなに浮かない顔をしているの?」

天瀬姫代は島宮奈々未のそばに...

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