第190章

病院には必ずシフト表が存在する。

天瀬姫代にとって、昼間に誰が島宮奈々未を診察し、なぜ彼女が入院したのかを突き止めることなど造作もない。

少しばかり金を握らせれば済む話だ。

事実、彼女はわずかな金で島宮奈々未のカルテまで手に入れていた。だが、そこに書かれた病名を目にした途端、不快そうに眉をひそめた。

「急性虫垂炎?」

予想とはまるで違っている。

横にいた天瀬姫奈も驚いたように声を上げる。

「妊娠じゃないの?」

カルテを差し出した医師が説明を加えた。

「島宮様は間違いなく急性虫垂炎です。処置が早くて助かりましたが、遅れていたら危ないところでした」

「そう、ありがとう」

天...

ログインして続きを読む