第31章

「こんな扱いにしないでください!私は何年も会社に貢献してきたのに、これは恩を仇で返すようなものです!」和谷英子は完全に崩壊し、声を張り上げて最後の抵抗を試みた。

しかし、すべては無駄だった。

丹羽光世がひとつ目配せすると、数人の警備員が駆け込んできて、綾田東二を両脇から抱え上げるようにして外へ連れ出した。

「離せ!離せよ、この野郎ども!私は会社の人事課長だぞ、こんな扱いをするとは、訴えてやる、お前らを刑務所に入れてやる!」

綾田東二は連れ出される間中、もがき続け、罵り続けたが、すぐにその声は廊下の奥で消えていった。

和谷瑞希は目の前で起きていることすべてを見て、顔面蒼白、全身をぶる...

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