第325章

みんなが島宮奈々未を肴にして、好き勝手に茶化していた。

女同士の敵意って、いちばん厄介だ。

綺麗で、能力のある女ほど、汚い噂を塗りたくられる。

十人中九人は「自分より幸せそうな奴が許せない」という感情を、胸の奥に飼っているから。

島宮奈々未は、あちこちから飛んでくる嘲りと皮肉を聞いても、表情ひとつ崩さなかった。

そこへ、班長の斉藤子南が口を開く。

「みんな、少しは控えようよ。同じクラスだったんだし、そこまで空気悪くしなくても……」

――本気で止めるつもりなら、もっと早く言ってる。

奈々未にはそれが痛いほど分かっていた。

彼女はお茶をひと口すすり、静かに尋ねる。

「木下さん...

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