第34章

「急げ、貨物を守れ!」丹羽元祐は島宮奈々未のことなど構わず、すぐに部下に貨物の保護を命じた。

この貨物は絶対に丹羽光世の手に渡すわけにはいかない。

そうなれば、彼はすべてを失うことになる。

埠頭では銃声が絶え間なく響き、双方が激しい銃撃戦を繰り広げていた。

丹羽元祐の部下は必死に抵抗していたが、暗闇の者たちは明らかに訓練された集団で、火力も上回っていた。

すぐに丹羽元祐の部下たちは持ちこたえられなくなり、徐々に後退していった。

「急げ、貨物船を出航させろ!」丹羽元祐は形勢不利と見るや、すぐさま命令を下した。

貨物船さえ無事に離れることができれば、まだ逆転のチャンスはある。

貨...

ログインして続きを読む