第46章

誰も島宮奈々未がこの時点でパソコンで何をしているのか知らなかった。

島宮雪乃はただ島宮奈々未が死に物狂いで抵抗しているだけだと思っていた。

警察に通報したところで何になる?

この汚名を島宮奈々未に着せさえすれば、彼女の評判を傷つけ、目的を達成できるのだから、それで十分だった。

島宮雪乃は密かに遠嶋海次郎に目配せした。

警察に通報すると聞いて、遠嶋海次郎は悲痛な表情で島宮奈々未を見つめた。「本当にそんなに冷酷になるつもりなのか?島宮奈々未、俺のことを嫌っても構わないが、太郎は何も悪くないんだぞ」

そう言いながら、遠嶋海次郎という男が泣き出し、多くの人々の同情を買った。

遠嶋海次郎...

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