第60章

島宮奈々未は歯を食いしばった。年末ボーナスのためとはいえ、結局は丹羽光世を押して中に入れた。

仕方ない、彼女の経済的命運を握っているのは丹羽光世なのだから。

男子トイレにはまだ人がいて、突然女性が入ってきたことに驚き、萎えそうになった男性は慌てて股間を整えて出ていった。

島宮奈々未は顔を覆い、恥ずかしさで死にそうだった。

全員が出て行ったのを確認してから、島宮奈々未は背を向けた。「終わったら呼んでください」

丹羽光世は立ち上がり、「ここで見張っていて。万が一誰か来たらどうする?」と言った。

ここまで来たら、もう少し長居したところで変わらない。

島宮奈々未は「じゃあ、早くしてくだ...

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