第66章

島宮奈々未の顔は、丹羽光世の顔にぴったりと寄り添っていた。

 彼の顔は、とても冷たかった。

 顔を濡らしているのは雨水であり、血でもあった。

 島宮奈々未は彼をきつく抱きしめ、「これで寒くないわよね」と呟いた。

 彼女の頬が彼の頬にそっと触れると、強烈な血の匂いが鼻を突いた。一筋の涙が目尻から滑り落ち、丹羽光世の顔に落ちた。

 空はすでに暗くなり、雨は降り続いていた。

 病院までの道のり、その一分一秒が、島宮奈々未にとっては耐え難い苦痛だった。

 島宮奈々未は再び川崎正弘に連絡を取り、丹羽光世が近くの附属病院に運び込まれたことを伝えた。

 中から担架を持って出てきた医師たちが...

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