第85章

島宮奈々未の声を聞いて、島宮雪乃は弾かれたように顔を上げた。

島宮奈々未の姿を視界に捉えた瞬間、島宮雪乃の瞳の奥に、深く隠し持っていた恐怖の色が走った。

「お姉ちゃん、あたしが悪かったわ。本当にごめんなさい、許して。もう二度としないから」島宮雪乃は這うように島宮奈々未の足元へすり寄り、鉄格子を両手で強く握りしめ、床に跪いて泣きついた。「ここ、すごく寒いの。ネズミも蛇もいるし、怖くてたまらないわ。こんな所に閉じ込められたくない。ねえお姉ちゃん、ここから出してよ」

林川家も、羽澤徳次も、もはや頼りにならないと島宮雪乃は悟っていた。ここから抜け出すには、島宮奈々未にすがりつき、情けをかけるよ...

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