第91章

丹羽光世が島を離れてから、夏目海人から電話がかかってきたのはこれが初めてだった。

「夏目海人は何か具体的な要件を言っていたか?」

「いえ」夏目冬馬は答えた。「ボスから折り返しますか?」

丹羽光世はその子のことを思い出し、顔に微かな喜びを浮かべながら島宮奈々未に言った。「お腹が空いているなら、とりあえず果物でも食べておいてくれ。もうすぐ食事にするから」

「ええ、お仕事に戻って」島宮奈々未は夏目海人が誰なのか知らなかった。

丹羽光世がその場を離れると、彼女は夏目冬馬に尋ねた。「あなた、夏目春斗っていう兄弟もいるの?」

夏目冬馬はきょとんとした。「いませんよ、島宮さん。どうしてですか?...

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