第95章

社内の噂が広まるのは、本当に早い。

会議室で丹羽邦義に一言褒められただけで、すぐに目をつけられたと噂されてしまう。

島宮奈々未は無意識に丹羽光世の顔色を窺ったが、仮面をつけているため、表情を読み取ることは到底不可能だった。

外から再び声が聞こえてきた。

「あり得ない話じゃないわよ。島宮奈々未は木下逸夫社長の養女だし、あの身分と背景に加えてあの美貌でしょ。丹羽副社長が本気で狙ってる可能性だってあるわ」

「本当に運がいいわよね。少し前は、毎日会社に花を贈ってくる男がいたのに、今は丹羽副社長といい感じだなんて。チッ」

「やり手なのよ。あの花を贈ってきた男が、うちの丹羽副社長と比べ物にな...

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