第97章

島宮雪乃はフラットシューズに白いロングワンピースという、とても清楚な装いだった。顔には微笑みを浮かべ、大人の女性らしい魅力を漂わせている。

一方の林川天一は、相変わらず無表情のままだ。

島宮奈々未は島宮雪乃に挨拶する気など毛頭なく、そのまま中へ入ろうとした。安島若菜の手を引いて数歩も歩かないうちに、背後から島宮雪乃の甘ったるい声が聞こえてきた。

「お姉ちゃん、来てたのね。一緒に入りましょうよ」島宮雪乃は振り返って林川天一にも声をかける。「天一、早くしてよ」

島宮奈々未と安島若菜は顔を見合わせた。

この一人芝居、気まずくないのだろうか。

やはり、自分が気まずいと思わなければ、気まず...

ログインして続きを読む