第10章

大島莉理は、耳を疑った。

「……正気? 私の体じゃ妊娠は無理だって、分かってるでしょう!」

自分を何だと思っているのか。子どもを孕んで産むだけの道具か。

田中尚哉は彼女の手をきつく掴んだ。

「おまえが俺を追い詰めたんだ」

誰が相手でも怖くない。だが田中辰哉だけは別だ。あいつとは、もう後戻りできないところまで来ている。

大島莉理が暴れても構わず、熱い口づけが落ちる。数えきれないほど抱き合い、幾夜も重ねた身体は、互いの隅々まで嫌になるほど知り尽くしていた。

尚哉は手慣れていた。経験に裏打ちされた動きで、莉理の身体はあっという間に波紋みたいに震え出す。

その生理的な快楽が、大島莉理...

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