第14章

「……彼女が言っていることは、本当なのか?」

田中尚哉が尋ねた。

大島莉理は取り繕いもせず、淡々とうなずく。

「ええ」

田中友里子が鼻で笑った。

「ほらね。自分で認めたじゃない。妻のくせに、あなたのために動くのにお金を取るなんて。前から言ってたでしょ。あの女があなたと結婚したのは、結局あなたの肩書きが目当てだったのよ。いずれ出世して、飛ぶ鳥を落とす勢いになるって分かってたから。――本当は愛してなんかいない。最初から打算、下心しかないのよ」

尚哉は声色を変えない。

「母さん、もう帰って」

「帰れないわよ。あなた、この女のせいでどれだけ捨てたと思ってるの。あのときだって、この女が...

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