第31章

大島莉理は病室へ駆け込んだ。もう昔の確執だの言い争いだのに構っている余裕はない。ただ先生に会いたかった。

ドアを押し開けた瞬間、彼女は固まった。

ベッドの上には岩崎晴翔。左右に田中辰哉と佐伯清司が立ち、渡辺尚輝が気の毒そうな顔でこちらを見ている。

――騙された。

このジジイ、顔色は妙にいい。危篤どころか、こっちより元気そうですらある。

岩崎晴翔が不機嫌そうに言い放つ。

「誰がこいつを呼んだ」

佐伯清司が一瞬だけ言葉に詰まり、それから名乗り出た。

「先生……俺です」

「会いたくない。今すぐ帰らせろ」

頑固さは相変わらず。縁を切ると言ったら、文字どおり生きているうちは一目たり...

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