第53章

この交流会で間違いなく勝ちを掴んだのは、田中尚哉だった。

彼らの研究理論はあまりに斬新で、まだ市場での検証こそ済んでいないものの、将来性は抜群――伸ばしていく価値がある。

だが岩崎晴翔も釘を刺すように言った。

「君たちのプロジェクトには興味がある。ただ、検証が必要だ。理論だけじゃ俺は納得できない」

つまり、まだ時間が要る。

それはこの案件の見極め期間であり、同時に大島莉理たちへ与えられた猶予でもあった。

「ご安心ください、教授。必ず期待に応えてみせます」

田中尚哉は自信満々だ。

村上真也は岩崎晴翔を前にして、目を輝かせた。

「よ、よければサインをいただけませんか?」

「サ...

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