第13章

診察を終えた医師は検査結果の紙を手に、淡々とした口調で藤原司に告げた。

「大したことはありません。軽い胃腸炎ですね。数日安静にしていれば治りますから、心配いりませんよ」

それを聞き、焦りから生じていた藤原司の心の張り詰めは一瞬で霧散した。彼は頷くと、きびすを返して病室を出ようとした。

「司!」朝倉月乃は彼が帰ろうとするのを見て、慌ててベッドから身を起こし、その袖口をぎゅっと掴んだ。瞳に涙をいっぱいに溜め、すがるような声を出す。

「もう行っちゃうの? 私、ここに一人じゃすごく怖いよ。お願い……もう少しだけ、一緒にいてくれない?」

そのか弱く可憐な姿は、以前の彼なら庇護欲を掻き立てられ...

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