第38章

沈川澪は魂の抜けた操り人形のように、彼に抱き寄せられるままになっていた。

木の遊歩道を吹き抜ける潮風は湿って生ぬるいのに、沈川澪の体は芯まで冷え切っている。

藤原司の力はひどく強く、その親指と人差し指が彼女の手首をきつく締め付けていた。華奢な骨越しに手のひらの熱が伝わってくるものの、少しの温もりも感じられない。むしろ、それは重々しい枷のようだった。

彼女は糸の切れた人形のように、半ば強引に彼の腕の中に抱き込まれ、ふらつく足取りで陽光の降り注ぐオーシャンビューのレストランへと向かう。

周囲から突き刺さる無数の視線は、まるで細い針のように彼女を逃げ場のない場所へと追い詰める。押し殺したよ...

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