第43章

桐谷景明が宴会場の重い扉を押し開けたとき、中の酒宴はまさに最高潮に達していた。

喧噪と熱気がどっと押し寄せ、沈川澪は無意識に身をすくめた。こんなにも目立つ形で現れたくはなかったのだ。

桐谷景明は彼女を無理強いすることなく、一人で中へ足を踏み入れた。そして、会場へ向かって大声を張り上げた。

「司、水臭いじゃないか。俺を待たずに始めるなんて」

その声に、その場にいた全員の視線が桐谷景明へと集まる。

メインテーブルでは、藤原司が伏し目がちに朝倉月乃の話に耳を傾けていた。シャンデリアの光に照らされたその横顔の輪郭は、ひどく柔和に見える。

朝倉月乃は満面の笑みを浮かべ、手には温かいフルーツ...

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