第45章

藤原司は壁ドンの姿勢のまま、自分を締め出したドアに額を押し当て、激しく胸を上下させていた。

ドアの向こうから、沈川澪の怯えきった声が聞こえてくる。

「藤原司、帰ってくるなんて知らなかったの。ただ水を飲みに部屋を出ただけで……誘惑しようなんて思ってない。お願い、落ち着いて。乱暴しないで」

彼女は俺をなんだと思っているんだ? いつでも理性を失う獣だとでも?

藤原司はふいに低く笑い出した。その声は静まり返った廊下に不気味に響き、嘲弄と自嘲に満ちていた。

彼は身を起こし、少し皺の寄ったシャツの袖口をゆっくりと整える。そして手を上げ、ドアを軽く、しかし確かな力で叩いた。

「沈川澪。俺たちは...

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