第156章 おじちゃん、悪いおばさんと結婚しないで!

高杉蓮はラフな私服姿だったが、この場において正装に身を包んでいるのは九条時夜ただ一人だった。

 秋月雫の手が一瞬止まる。だが、彼女は顔を上げて彼を見ることはせず、黙々と大玉でスープを掬い続けた。

 その時、ふざけ合っていた子供たちが雫の右手に勢いよくぶつかった。掬い上げたばかりのスープが、バシャリと飛び散る。

 子供たちに火傷をさせてはいけない。雫は咄嗟に右腕を引いて庇おうとしたが、そのせいで熱いスープが彼女自身に降りかかろうとしていた。

 だが、九条時夜の反応は神速だった。

 彼は瞬時に雫の腰を引き寄せて懐に抱き込み、同時に彼女の手首を掴むと、空いた手で大玉を鍋の中へと投げ戻した...

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