第177章 彼女を愛してる?いや、ありえない

羨望など、ほんの一瞬のことに過ぎない。

 彼女のそばにも、かつてはずっと守ってくれる人がいた。ただ時が経つにつれ、感情もまた移ろうものなのだ。

 秋月雫は艶やかな唇を指で軽く払い、何気ない様子で微笑んだ。

「九条美月、あなたって白川ゆらに本当に義理堅いのね。彼女がどれだけあなたのことを大切に思っているかは知らないけれど」

「それに、他人の感情なんて部外者がどうこうできるものじゃないわ」

「大事なのは、当人同士の気持ちよ。そんなに二人の絆を信じていて、九条時夜が私に気がないと確信しているなら、どうしてわざわざ私に突っかかってくるの?」

 そう言い残し、彼女はちょうど開いたエレベータ...

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