第194章 新しい生活を手に入れた

「裏切り? 君は俺をそう見ているのか?」

 九条時夜は秋月雫を見つめた。その瞳には、深い哀しみが宿っていた。

 逆に、彼女は笑った。その眉間に浮かぶ嘲りの色は、よりいっそう鮮明になる。

「これが裏切りじゃなくて、何だと言うの? 辞書でも書き換えてくれるわけ?」

 九条時夜の脳裏に、白川ゆらとの婚約の件がよぎり、顔色がわずかに変わる。

「あれについては説明が……」

「説明なんていらないわ。したことは事実。裏切りは裏切りよ」

 秋月雫は冷ややかに笑った。

「そんな状況で縋りつくなんて、自分が惨めで仕方ないわ。本当に吐き気がする。私、自分をこれ以上粗末にしたくないの」

 言い捨て...

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