第293章 どう見てもちょっとキスマークみたい

 白川ゆらは成田博司へ視線を向け、その瞳をかすかに揺らした。

 だが彼はその視線に応えることなく、九条時夜とともにソファに腰を下ろしている。

 秋月雫は視線を戻し、再び白川ゆらを捉えた。

「これで心置きなく弁明できるわね。口を挟む人もいないことだし、さっきの続きを聞かせてもらえる?」

 問いかける声は柔らかく軽やかだったが、目に見えないほどの強い圧迫感を孕んでいた。

 胸の内をすべて見透かされているかのような、そんな錯覚すら抱かせる。

「だから、さっきからずっと説明しているじゃない……」

 白川ゆらは微かに視線を逸らし、助けを求めるように九条時夜のほうを見た。

 しかし、九条...

ログインして続きを読む