第296章 私、失言したみたいだ

秋月雫はぎゅっと指を握りしめた。全身の筋肉が強張っている。

白川ゆらは確かに信用ならない。いつだって隠蔽しようとして余計にボロを出し、事態を自分の都合のいい方向へ誘導しようとするのだ。

だが、あのボイスメッセージやメディアが報じた写真まで、すべて偽造だというのだろうか?

白川ゆらが騒ぎを起こすたび、彼はいつだって彼女のそばに寄り添っていたではないか。

だからこそ、世間はあの二人をベストカップルだともてはやし、結果として本妻である自分に嘘を暴かれる羽目になったのだ。

考えてみれば、本当に滑稽な話だ。

彼女は手を伸ばして眉間を揉み、思わず声に出して笑ってしまった。

ただ、その笑い声...

ログインして続きを読む