第48章 発表した作者は誰?

実際に、彼は事実などお構いなしのようだ。

 無力感が、またしても彼女の心を襲った。

 秋月雫には理解できなかった。人前では常に冷静沈着で聡明な九条時夜が、なぜ自分の前ではいつもこうなのか……。

 適切な言葉が見つからない。ただ、心の底で自分を見下しているからこそ、こんな態度を取るのだろうと感じられた。

 雫は赤い唇をきゅっと噛み締め、顔を上げて彼の目を見据えた。

「九条時夜、あなた飲みすぎよ。これ以上、酔っ払いと議論する気はないわ」

「飲みすぎだと? 俺が本当に酔っていたら、今頃この部屋に火を放っている! お前たちが仲睦まじく暮らす場所など、消し去ってやるためにな!」

 雫は自...

ログインして続きを読む