第57章 あなたの想い人?

 白川ゆらの顔色は、見るも無惨なほどに青ざめていった。

 彼女には理解できなかった。なぜおとなしいはずの秋月雫が、突然これほど強硬な態度に出たのか。

 九条時夜は眉をひそめ、何かを言いかけたが、秋月雫の背後に立つ如月海の姿を認めた瞬間、その眼差しが一変した。

「タブレットを白川ゆらに渡せ!」

 彼の声には、隠しきれない怒気が滲んでいた。

「今なら、何もなかったことにしてやる」

 何もなかったことにする?

 彼にとってはそうかもしれない。

 だが、私にとっては違う!

 秋月雫は彼を睨みつけ、唇の端を吊り上げて冷ややかな笑みを浮かべた。

「時田さんの番組の影響力は、私たち全員...

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