第8章 秋月雫と九条社長の関係とは?

秋月雫が別荘に留まらなかったことを、九条時夜が知ったのは翌日の午前中だった。

 彼は何の反応も示さなかったが、手にした高価な万年筆をへし折った。

 向かいに座っていた九条美月は、実の兄にインクをぶちまけられ、悲鳴を上げた。

「お兄ちゃん!!! 何すんのよ!」

 九条時夜は我に返り、無造作にハンカチを投げつけた。

「わざとじゃない。自分で拭け」

 九条美月は絶句した。

 なんて心のこもっていない謝罪!

 しかし今日は頼み事があるため、いつも厳格な実の兄に対してお嬢様気質を発揮するわけにもいかず、しぶしぶインクを拭き取ってから再び九条時夜の前に座り直した。

「で、お兄ちゃん、私...

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