第49章

春はすぐに察しがついた。

「奴らに、気づかれていないと思い込ませる気か」

「そう」

「じゃあ、本当の記録はどうする」

「タイムスタンプとデバイスIDを付けて隠しログに書き込む。管理システム側からは削除できないようにして」

春は目を閉じた。

説得など無駄だと分かっている。

葵が一度決めたら、誰にも止められない。

彼にできるのは、リスクを最小限に抑えることだけだ。

「警備員を手配してくる」

「駄目」と葵は言った。「あからさまに網を張れば、奴らは逃げる」

春は鼻で笑った。

「だからって、本当に一人でそこに立つつもりか」

「表向きは、ね」

彼女はBエリアの平面図を再び画面...

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