第54章

病院の観察室。輸血チューブを伝って、赤い液体がポトリ、ポトリと落ち続けている。

春はその一文を凝視し、顔を強張らせた。

「彼女から連絡があったのか?」

葵は首を横に振る。

「いいえ」

「じゃあ、どうやってこれをあんたに?」

葵はスマホの画面を見つめ、思案げに目を細めた。

「だから、直接私に渡したわけじゃないってこと」

春は眉をひそめる。

葵は届いたメッセージを悠に転送した。

『奈月の直近七日間の足取りを洗って。失踪前の最後の六時間は特に念入りに』

悠からの返信は秒で来た。

『すでに回してる』

傍らに座る春が、明るいノートパソコンのモニターに照らされながら低い声で尋ね...

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