第14章

 母の治療のために高額な医療費が必要で、私は3年前、森原覚と契約結婚を結んだ――だなんてことを母が知ったら、いったいどんな顔をするだろう。

 ただでさえ、自分は私の足を引っ張っていると気にしている人だ。こんなこと、絶対に知られるわけにはいかない。

 しばらく立ち尽くしたあと、私はドアを押し開け、母が療養している部屋へ入った。

 母の同室の女性は、私の顔を見た瞬間、ぱっと目を見開いた。

 正直に言えば、私はそこそこ見た目がいい。肌の色つやも悪くないし、顔立ちも整っている。少し化粧をすれば、女の集まりの中でも自然と目を引くほうだと思う。

 だから、そのおばさんがそんな反応をしたところで...

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