第168章

 森原覚の熱を帯びた視線を受けた瞬間、私は――本当にやらかした、と悟った。

 彼がビデオ会議中だと知っていたら、何があっても書斎になんて入らなかったのに。

 なのに、こんなことになってしまって……どう収拾をつければいいの?

 恥ずかしさで顔が燃える。

 森原覚にこれ以上からかわれないよう、赤くなった頬のまま、私は必死に釘を刺した。

『会議中でしょ……みんな見てる』

『早く放して』

 身をよじって腕の中から抜け出そうとする。けれど彼の腕は鉄の輪みたいで、びくともしない。

 ――もう、どうしようもない。

 そのとき森原覚は、パソコンの画面に並ぶ九つの枠を開き、向こうで面白がって...

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