第23章

 私は視線で小村に「もう喋るな」と合図した。こんな口の利き方を続けたら、葦原様の怒りに油を注ぐだけだ。

 案の定、次の瞬間――。

 葦原様が目だけで合図すると、傍にいた男が小村を乱暴に引き起こし、バチン、バチンと平手を叩き込んだ。

 一緒に来ていたデザイナーの小崎礼子は、すっかり怯え切って、声も出せないでいる。

 小村は私の代わりに会社を回してくれている人だ。目の前で殴られているのに、黙って見ているわけにはいかない。

 私は慌てて止めに入った。

 けれど相手は、私が割って入る隙なんて与えない。

 ドン、と胸を突かれたみたいな衝撃。

 私は床に倒れ込み、頭がちょうどテーブルの角...

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