第34章

 私は何本も針で突いてから、それらを引き出しに戻し、何事もなかったようにきちんと整えておいた。

 こういう話はネットでも見たことがある。精子ってのは案外しぶといもので、ほんのわずかな望みさえあれば、コンドームの針穴からだってするりと抜け出してくるらしい。

 ――もうすぐ生まれてくるはずの曾孫のことを思うと、少しばかり胸が軽くなった。

 宮沢詩音が着替えを終え、更衣室から出てくる。

 その姿を見た瞬間、思わず目を見張った。

 もともと顔立ちは整っているし、スタイルだって申し分ない。そこへこの服が加わったものだから、全身がぱっと華やいで見える。まるで光をまとっているみたいだった。

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