第42章

 その直後、腰のあたりにずきんと鋭い痛みが走った。

 痛みをこらえて目を上げると、宮沢詩音の瞳の奥に、隠しきれない笑みが揺れていた。

 ――この女、仕返ししてるな。

 さっき俺が言ったことに、嫉妬でもしたのか?

 俺は声を潜めて言った。

『他の女と一緒にいてほしくないなら、そう言えばいいだろ。こんな小細工までするなんて、子どもっぽいな』

 宮沢詩音は呆れたように俺を睨み、一言で切り返してきた。

『ふふ……私が嫉妬してるとでも? ただ、あなたと空野朱音さんを祝福してあげようと思っただけ』

 そう言い捨てると、彼女はくるりと背を向け、車のドアを開けて乗り込んだ。

 その「祝福」...

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