第159章

エル視点

私のベッドの端に腰掛けるブラッドの前腕に巻かれた、真新しい包帯から目が離せなかった。それを見ると、罪悪感と、そして名付けたくないもう一つの感情で胸が締め付けられる。

レイン邸に滞在するようになってから初めて、彼が私の部屋に入ってくるのを許した。どうして断れるだろう? 彼は文字通り、私のためにナイフを受けたのだ。せめて、抵抗せずに座らせてあげるくらいは当然のことだった。

「見せて」私はそう囁き、彼の怪我をした腕に手を伸ばした。

私の指が包帯に触れようとした瞬間、ブラッドの身体がこわばった。でも、私が触れる前に、彼は無事な方の手でそっと私の手首を掴んだ。

「やめておけ」彼は優し...

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